スキップしてメイン コンテンツに移動

初マラソン応援企画 5時間切りを目指すには - その4

東京マラソンEXPOが始まり、国内外からTOKYOへランナーの大移動も始まりました。
昨日の朝の代々木公園にはケニアからの招待選手が10人以上走っていました。
今年も彼らが男女ともにレースの主導権を握るのはまちがいありませんが、
日本人選手がどれだけ食い込むかが楽しみです。

さて、今回はフルマラソンのコース攻略についてお話します。

<戦略を立てる>

まず本番までに机上でできる取り組みとして、「コースを知る」ということがあります。
ポイントは以下の通り。

◎起伏
・何キロ地点にあるのか
・どれくらい続くのか
・勾配はどれくらいか

◎風の影響(受けやすい場所)
・河川敷
・海岸沿い
・平野

◎路面状況
・一般舗装路
・河川敷等の砂れき
・土
・芝生

◎その他
・競技場スタートand/orフィニッシュ


大会によっては、コースを動画でアップしていることもあります。
ぜひ見るべきですが、実際走ると、起伏は映像以上に感じられます。
公式のコースマップには、トイレや給水所の情報も入っているので、
くまなく見ておきましょう。


<実際に走る際のポイント>

さて、一つひとつ解説します。

まず、「起伏」について。
原則、上りはがんばらない(平地のリズムのまま→当然ペースは落ちる)、
下りはリラックス、です。
フルマラソンは長丁場なので、起伏のたびに脚力を使っていたら、終盤までもちません。

上りは・・・
・前傾姿勢
・歩幅は平地より狭く
・競わない
・・・を心がけましょう。

下りは・・・
・肩周りを中心に上半身をリラックス(腕の脱力)
・足裏全体でやさしく接地
・スピードを出し過ぎない
・・・を意識して走りましょう。


フルマラソンのように、長い距離のレースでは、
下り坂でいかに脚力を使わないかが結果を左右します。
今からできることは、序盤の下り坂では突っ込まない、です。

例外として、レース最終盤の下り坂では、思いっ切り走りましょう。
この段階で「脚をためる」(脚力を残す)必要はありません。
最後のタイム短縮の好機です。


次に、「風」について。
向かい風は、上り坂と同じように前傾で対応しましょう。
風が当たる面積を少しでも小さくし、脚が自然と前に出るように腰から屈めます。
また、追い風の時は、下り坂を走る時と同じようなイメージで走りましょう。


それから、3つ目に挙げた「路面状況」について。
大会によっては、工事等の事情でやむを得ずロード(アスファルト)以外の部分を走ることもあります。
事前に慣れておくのが一番ですが、その時間がない場合は、「心構えをしておく」だけでだいぶちがいます。
基本、砂れき(小砂利)や土はロードより滑ります。
滑るということは、それを食い止めようとして脚に力が入るので、脚力を使います。
ただ、路面が柔らかい分、接地時の衝撃は減ります。
いずれにしても、ロードに慣れていると、それ以外の路面には苦戦することは覚えておきましょう。


最後に、スタート、フィニッシュ(両方、あるいはいずれか)が陸上競技場の場合。
特にスタートが競技場の場合は注意が必要です。
なぜなら、狭いということ、それから、内側の縁石につまずきやすいということが挙げられます。
さらに、競技場は大規模なマラソンをイメージして作られていませんので、
競技場からロードに出る際、道幅が狭くなったり、急カーブがあったりと、とても危険です。

個人的にはフィニッシュが競技場というのは気分がいいですね。


ざっと、一般的なことを述べてきましたが、ここで少し東京マラソンについても。

多くの方がご存知かと思いますが、東京マラソンでは、日比谷公園の10kmまでは下り基調です。
おそらく、東京マラソンで記録が出やすい要因のひとつになっていると思います。
ところが、実際のところ、ランナーにとって、寒い中、1時間以上、立ったまま待ち続けるのは本当につらいです。
そのため、号砲とともに、いつも以上に勢いよく飛び出していく傾向があります。
ここで、冷静になれるかなれないかが、プラン通り完走できるか否かに関わってきます。
まず、自分の時計で、しっかりスタートゲートまで何分何秒かかったかを確認しましょう。
紙吹雪に目をやる暇はありません(笑)。
そして、1km地点。
オーバーペースに気付かず走るのを回避するのに、最初の1kmは大切です。
道路脇の距離表示でしっかり確認しましょう。


日比谷公園を過ぎて、品川駅付近を折り返すまでは、自分のリズムを取り戻しやすいパートです。
約15kmで折り返して、銀座手前の中間点まで、平地区間ですので努めて冷静にイーブンペースを刻みましょう。


おそらく、みなさんが一番気にしているのは、終盤の坂と風。
対策は上述の通りです。
心身ともにうまくコントロールして、自身の余裕度を計りながら身体を運んでいく。
そこがうまくいくと、失速することも、歩くこともなく、ビッグサイトにたどりつくでしょう。

37,000分の1の輝きや気配りが、この大会をよりよりものにしていくと思います。
その一翼を担うランナーのみなさんは、記録だけでなく、マナー等でも最上を目指しましょう!


TARO

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

Harriersでは、ロードレースシーズンが終わると(暖かくなるにつれ)、インターバル走等、スピードを意識した練習を増やします。
インターバル走は、ひとりではなかなかできない、という声をよく聞きます。
ぜひ、インターバル走の練習を狙って「体験入会」(無料)してみてください。


コメント

このブログの人気の投稿

疲労回復に!

『ランナーズ9月号』(7月22日発売)に掲載されました。 水素水の広告ページです。 http://www.carry-h.com/     ちなみに、取材を担当してくださったのは、元上司!(感謝☆) 中島カメラマン(写真)と久々に再会しました(^-^)    TARO

相澤義和という男

春から約半年にわたってHarriersでコーチを務めてくれた 相澤義和コーチが、愛媛県のトライアスロン実業団チームのコーチ就任が決まり、 しばらくHarriersから離れることになりました。 新所属先の方には怒られそうですが(^_^;) 近い将来また一緒にやれることを希望しているのは、 私をはじめ、コーチ、会員にたくさんいます。 とはいえ、当面、 今晩の練習会が「ラストラン」。 あいにくの雨模様でしたが、お集まりいただいた会員のみなさんと、 相澤コーチに感謝しながら走りました。 相澤コーチと会員さん Harriersの「革命児」=「相澤コーチ」と念願の!?ツーショット 会員のみなさんには、あえて今日まで相澤コーチの件はお伝えしておらず 心苦しかった面もありましたが、 私自身、今日が来なかったら・・・という思いがずっとありました。 新しい息吹と方向性を示してくれたのはまちがいありません。 その思いを発展させ、次に帰ってきた時に進化しているのが 最大の恩返しだと今は気持ちを切り替えています。 新天地での活躍を祈りつつ、また将来、いろいろやり合えるのを心から待ち遠しく思っています。 ありがとうございました。 そして、See you soon! 「最後」ではないので、コーチ陣だけでこじんまりと壮行会を行ないました TARO

スターの引退

「食欲の秋」がとっくに過ぎたのに・・・ 旺盛な食欲がとまりません(^_^;) 年末年始で胃袋を「拡張」させてしまったか(>_<) 挙句、週末、ヒザに一時違和感が生じ、 「成長痛か!」 と笑われる始末。 そんな冗談はさておき、正月のブログで少し触れた、 大学時代の同期、小林雅幸選手 (新潟・十日町高校⇒早大⇒三井海上⇒SUBARU) から先日電話をもらいました。 彼の口から出た言葉は 「引退」 の二文字。 「もうぼちぼちだよ」 と、ここ数年語る彼の背中を見るのはとてもさびしかったですが、 ついにその日がきたんだな、と。 「マサユキ、これまで、おつかれさま」 それ以上にかける言葉はありませんでした。 そして、彼の引退レースは3月7日(日)の 「びわこ毎日マラソン」。 福岡国際マラソンと双璧をなす、数々の熱戦を繰り広げてきた伝統の大会です。 私は、もう二度と見ることのできない彼の走りを眼に焼き付けるべく、 びわこへ行くことにしました。 これも正月のブログに書きましたが、 97年の箱根駅伝を走る別の同期生を見て、胸が熱くなったときと重なります。 今から自分が心配です(^_^;) マサユキが競技を終えることで、私の競走部時代の同期で競技を続けている人間はいなくなります。 短距離で五輪に出た土江寛裕君(城西大陸上部監督)や、メディアのスポーツ畑で働く友人を除けば、 陸上競技とはまったく関係のないところで、それぞれに「走・跳・投」、新しい人生を歩んでいます。 みんなが現役を退いていく中で、いまだランニングを続けている私がいる というのは本当に不思議としかいいようがありません。 悲しいかな、もっとも早く競技の世界から退いた人間が 一番最後まで走り続けている。 「陸上競技とは二度と関わらない」気持ちで寮を飛び出して行った自分が、 それから10年後にランニングクラブを立ち上げ、 35歳になってもまだ走っている・・・。 人生分かりません。 結局、昔、みんなの力になれなかった分を取り戻そうという気持ちが残っているんですよね・・・。 ただ、過去にベクトルが向いていてもしょうがないので、今思うのは、 「これから何ができるか!」 ということ。 「やっぱり陸上競技が好きなんだよな」という原点に返り、 近しい陸上選手・OBだけでなく、幅広く元・現選手の力になっていきたいと考えています。